「メルカリなんて、使ったこともないのに——」
妻のクレジットカードが不正利用されたとき、彼女が最初に口にした言葉です。身に覚えのない請求が、しかも1件6万5千円ほど、複数件。初めての経験に、妻はすっかり慌てていました。
私はIT業界で41年働いてきましたが、家族はまた別です。どれだけ私が詳しくても、妻のスマホに届く詐欺までは防げません。今回は、妻に実際に起きたカード不正利用の一部始終を、時系列でお話しします。
「カードが不正利用されたら、実際どうなるのか」——その生々しい記録が、あなたの備えになれば幸いです。
きっかけは1通のSMS。しかも本物だった
ある日、妻のスマホにカード会社からSMS(ショートメッセージ)が届きました。「不正利用の可能性があります。リンク先でご確認ください」という内容です。
妻はリンクをクリックせず、カードの裏に書かれた電話番号からサポートに直接かけました。これは、100点満点の対応でした。
というのも、世の中にはカード会社を装った偽SMSもたくさんあります。リンクを踏めば偽サイトに誘導され、カード情報を抜き取られる——これがフィッシング詐欺です。だから「SMSのリンクは踏まず、自分でカード裏の番号にかける」のが鉄則なんですね。
ところが今回のSMSは、皮肉なことに本物でした。電話で確認すると、本当に不正利用が起きていたのです。
使ったこともないメルカリで、6万5千円が複数件
不正利用の中身はこうでした。妻のカードが、使った覚えのないメルカリ(フリマアプリ)に勝手に登録され、1件6万5千円ほどの決済が複数件、行われようとしていたのです。
幸いだったのは、カード会社が決済が確定する前に異常を検知してくれたことです。そのため、これらの不正な決済はすべて取り消され、金銭的な実害はありませんでした。
カード会社の不正検知の仕組みは、思っている以上に優秀です。「いつもと違う使われ方」を見つけると、こうして本物のSMSで知らせてくれます。だからこそ、本物か偽物か見分けがつかないのですが……その話は後ほど。
再発行したのに、また不正利用された
すぐにカードを止め、新しいカードを再発行してもらいました。これで一安心——のはずでした。
ところが、新しいカードがまだ手元に届く前に、再びカード会社から連絡が来ます。「再発行した新カードが、また不正利用されています」と。
「まだ受け取ってもいないカードが、なぜ?」妻も私も、頭が混乱しました。
カード会社の説明はこうでした。「新しいカード番号は、以前ご登録いただいたサービスに自動で引き継がれる場合があります」
つまり、こういうことです。妻のカードはVIEWカードだったのですが、VIEWカードはメルカリに情報が自動連携される仕組みがありました。悪意のある人物がメルカリに古いカードを登録していたため、番号を変えても、その新番号が自動で引き継がれてしまったのです。
これには、さすがに腹が立ちました。そんな自動連携の仕組みがあるなら、再発行のときに一度切っておいてほしいですよね。最終的には、カード会社にこの自動連携を停止してもらい、ようやく被害は止まりました。
念のためお伝えすると、私はVIEWカードそのものを悪く言いたいわけではありません。実際わが家は、VIEWカードの大人の休日倶楽部を活用して、旅行をとてもおトクに楽しませてもらっています。ただ、この自動連携まわりの管理だけは、もっと利用者にやさしく改善されることを願っています。
解決まで10日。長引いたのは「二度目の不正利用」のせい
すべてが解決するまで、約10日かかりました。これだけ長引いた理由は、一度再発行したカードが、前述の自動連携でまた不正利用され、もう一度対応が必要になったからです。二重に被害にあったぶん、時間もかかったわけですね。
一度の再発行だけで済めば、もっと早く終わります。実は私も去年カードを不正利用されましたが、そのときの再発行は3日ほどでした。通常なら1週間程度をみておけば十分だと思います。今回は、自動連携という思わぬ落とし穴のせいで、その倍近くかかってしまいました。
結局、妻は3枚目の発行も覚悟しましたが、2枚目のカードで無事に落ち着きました。使ったこともないサービスに振り回された、長い10日間でした。
この一件で、わが家が変えた2つの習慣
苦い経験でしたが、おかげで防御は固くなりました。わが家が変えたことを2つ紹介します。
① 妻のルール:リンクは踏まない、不安は全部私に相談
妻は、外部から届くメールやSMSのリンクは、一切クリックしないと決めました。そして、少しでも不安なことがあれば、自分で判断せず全部私に連絡するようにしています。「一人で判断しない」——これがいちばんの防御です。
② 私のおすすめ:カード情報をエクセルで一覧管理する
これはぜひお伝えしたい実用術です。
カードを再発行して番号が変わると、そのカードで支払っていたあらゆるサービスが使えなくなります。サブスク、通販、公共料金……どこに登録していたか、意外と思い出せないものです。
そこで私は、去年の自分の被害をきっかけに、エクセルでカードの登録先一覧表を作りました。「どのカードを、どのサービスの支払いに使っているか」を書き出しておくのです。

これがあると、いざ再発行になっても、更新すべきサービスが一目で分かります。さらに、カードの有効期限が切れて番号が更新されるときにも、同じ一覧が役立ちます。地味ですが、一度作っておくと一生ものの備えになりますよ。
なお、上の表の中ほどに「1Passwordに登録済み」と書いた部分があります。これは、それらのサービスのIDやパスワードを、1Password(パスワードを安全に保管する管理アプリ)にまとめて登録済み、というメモです。私は今、カードやアカウントの情報を「エクセルの一覧表」と「1Password」の二段構えで管理しています。パスワード管理ツールの使い方は、こちらの記事で詳しく紹介していますので、あわせてどうぞ。
まとめ
妻のカード不正利用から、わが家が学んだことをまとめます。
- カード会社を装う偽SMSは多いが、本物もある。リンクは踏まず、カード裏の番号に自分でかけるのが唯一の正解
- 再発行しても、サービスへの自動連携で被害が続くことがある。連携の停止までカード会社に確認する
- カードの登録先をエクセルで一覧管理しておくと、再発行や有効期限更新のときに困らない
カードの不正利用は、誰にでも起こりえます。大切なのは、起きたときに慌てず、一人で抱え込まず、正しい窓口に連絡することです。
なお、カード以外のスマホ詐欺(偽アプリ、サポート詐欺、パスワード管理など)全般については、こちらの記事にまとめています。あわせて読んでいただくと、備えがより万全になりますよ。
今日が人生で一番若い日です。ぜひ、今日から一歩踏み出しましょう。


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