【1Passwordに185件を預けた話】私はパスワードを1つも覚えていません

机の上でくしゃくしゃに丸めたメモとゴミ箱、その隣にスマートフォンと南京錠、古い手帳とコーヒーを真上から見たイラスト ITの悩み

正直に告白します。私は今、自分のパスワードを1つも覚えていません。

覚えていないのに、まったく困っていません。185件——これが、私がパスワード管理アプリ「1Password(ワンパスワード)」に預けている情報の数です。先日、この記事のために数えてみて、自分でも驚きました。

私はIT業界で41年働いてきました。その私が、なぜ「覚えない」という結論にたどり着いたのか。今日は、定年前に1Passwordを導入した経緯と、実際に助けられた出来事を、正直にお話しします。

きっかけは「自分のエクセル管理が怖くなった」こと

1Passwordを使う前、私はパスワードをエクセルで管理していました。サイト名・ID・パスワードを一覧表にして、そのファイル自体にパスワードをかけて開けないようにする——我ながら、なかなか賢い方法だと思っていました。

ファイルを開く1つのパスワードさえ覚えておけばいい。理屈はそのとおりです。ですが、実際に使ってみると、問題だらけでした。

まず、新しいサービスに登録するたびに、一覧表へ手入力しなければなりません。これが面倒で、つい後回しになります。そして何より怖かったのが、中身です。改めて見直すと、同じパスワードの使い回しがあり、単純で推測されやすいものもいくつもありました。

「これは、いつ突破されてもおかしくない」。IT歴の長い自分の管理が、実はザルだった。そう気づいたとき、正直、ぞっとしました。この恐怖が、1Passwordを導入する決め手になったのです。

185件の中身——パスワードだけではありません

「185件」と聞くと多く感じるかもしれませんが、これはログイン用のパスワードだけではありません。1Passwordは「デジタルの金庫」なので、暮らしの大事な情報をまとめて入れられるのです。

私が預けているものを、少し紹介します。

  • 各サービスのID・パスワード
  • クレジットカードの情報
  • 銀行口座の情報
  • 運転免許証・マイナンバーカード
  • ソフトウェアのライセンス番号
  • 無線ルーターの設定情報
  • 各種保険・年金番号・印鑑登録証など(「セキュアノート」という自由なメモ機能に保存)

こうして並べると、財布と引き出しの中身を、まるごと安全な金庫に移したような感覚です。しかも、この金庫はクラウド上にあるので、パソコンからでもスマホからでも、いつでもどこでも取り出せます。

市役所で救われた話——印鑑登録証を忘れて

「いつでもどこでも取り出せる」ことが、実際にどれほど助かるか。忘れられない出来事があります。

ある日、印鑑証明書をもらいに市役所へ行きました。申込書に必要事項を書いていくのですが、肝心の印鑑登録証を家に忘れてきたのです。登録番号を書く欄が、埋められません。

普通なら、出直しです。ところが私は、その印鑑登録証を1Passwordに登録していました。スマホでその画面を表示して見せたところ、市役所の方が「本来は登録証がないとダメなのですが、これで確認できるので大丈夫です」と、受け付けてくれたのです。

(「コンビニで発行すればいいのに」と思われるかもしれません。ですが、うちの役所はまだコンビニ発行に対応していないのです……とほほ)

とにかく、この一件で「大事な情報を、いつでも手元に呼び出せる」ありがたみを、身にしみて感じました。

「もしもの時」の備え——家族のためのEmergency Kit

1つ、心配される方が多い点にお答えします。「もし自分に何かあったら、家族はこの金庫を開けられないのでは?」という不安です。

1Passwordには、そのための「Emergency Kit(緊急キット)」という仕組みがあります。これは、金庫を開けるための「シークレットキー」と「マスターパスワード(親鍵)」が記載されたPDFです。これさえあれば、万一のときにも家族が中身を開示できます。

このEmergency Kitは、印刷して金庫や貸金庫に保管する方も多いようです。ただ私の場合は、紙は紛失や盗難のリスクがあると考え、別の安全な形で保管しています。このあたりは、ご自身が「いちばん安心できる方法」を選ぶのが正解だと思います。

正直な話——有料でも、私は一生使います

1Passwordは有料のサービスです。私は「ソースネクスト」が販売している3年版(1人用)を購入して使っています。

正直、「無料のツールもあるのに、お金を払うの?」と思う方もいるでしょう。実際、GoogleパスワードマネージャーやApple純正のパスワードアプリなど、無料の選択肢もあります。

それでも私が1Passwordを選ぶのは、使い勝手が抜群だからです。無料ツールと比べても、情報の入れやすさ、呼び出しやすさ、対応範囲の広さが違います。大事な情報を守るための費用と考えれば、私はまったく高いとは思いません。この先も一生使い続けるつもりです。

ちなみに、公式サイトの月額プランよりも、ソースネクスト版の3年ライセンスの方が割安になることが多いです。私が使っているのはこちらです。

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ソースネクスト 1Password 3年版(1人用・カード版)

1点だけ補足すると、ソースネクスト版は登録のときに少しコツがいります。詳しい方が解説記事を書いてくださっているので、「1Password ソースネクスト 登録」などで検索してみてくださいね。

まとめ

パスワードを1つも覚えていない私の、管理術をまとめます。

  • 自己流のエクセル管理は、使い回しや単純なパスワードが潜んでいて危険。専用ツールに任せるのが安全
  • 1Passwordはパスワードだけでなく、カード・免許証・保険番号まで「デジタルの金庫」にまとめられる
  • Emergency Kitを備えておけば、もしものときも家族が困らない

「ツールに頼るのは難しそう」と思っていた方も、慣れてしまえば驚くほど簡単です。記憶に頼るのをやめた日から、パスワードのストレスは本当にゼロになりました。

なお、大切な情報を守ることの大切さは、妻のカード不正利用の話でも実感しました。あわせて読んでいただくと、備えがより万全になりますよ。

今日が人生で一番若い日です。ぜひ、今日から一歩踏み出しましょう。

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