【妻が、もう少しでクリックするところでした】見た目で見破れない詐欺メール|私が“見分けずに”防ぐ理由

スマホ詐欺に警戒するシニア男性のイラスト ITの悩み

ある日、妻が一通のメールを開いて、リンクをタップしようとしていました。差出人は「Amazon」。いえ、正確にはAmazonそっくりの偽物でした。ロゴも文面も、本物と見分けがつきません。Appleをかたるメールも、同じでした。

私はコンピューターの仕事を長く続けてきました。それでも、正直に言います。最近の詐欺メールは、もう「見た目」では見破れません。

だから私は、あるときから考え方を変えました。「見分けよう」とするのを、やめたのです。そのかわり、そもそも引っかからない“仕組み”をつくる。今日は、私が実際にやっている防ぎ方を、正直にお話しします。

詐欺メールは、もう見た目では見破れない

宅配便の不在通知、料金の未払い、Amazonや銀行をかたるメール、自動音声の電話……。こういうものは、私のところにも当たり前のように届きます。文面はどれも、いかにも本物らしい。

妻がクリックしかけたときも、私が横で見ていなければ危なかった。「怪しいメールに気をつけましょう」では、もう守れない——それが、いまの正直な実感です。人間の目で、一通ずつ見分けるのは限界があります。

そこで私は、「見分ける」のではなく、「そもそも引っかからない仕組み」で防ぐことにしました。次の4つです。

① 怪しい電話には、出ない

還付金の電話や、しつこい営業の電話。私はこれらにそもそも出ません。スマホに、2つのアプリを入れているからです。

  • 電話帳ナビ……知らない番号でも、迷惑電話なら着信のときに「警告」を出してくれます
  • 詐欺対策 by NTTタウンページ(警察庁 推奨)……要注意の電話を警告し、遮断してくれます

おかげで、あやしい電話が鳴っても、出る前に「これは危ない」とわかります。そして私の中には、はっきりした線引きがあります。ケアマネジャーさん、ヘルパーさん、そして本人確認の「認証番号」——この3つ以外の電話やSMSは、基本的に詐欺だと思って構わない、と。これくらい割り切ると、ずいぶん気が楽になります。

警察庁が推奨する詐欺対策アプリ「詐欺対策 by NTTタウンページ」のApp Store画面
私が使っている「詐欺対策 by NTTタウンページ」(警察庁 推奨)。あやしい電話を警告・遮断してくれます。

② メール・SMSのリンクは、踏まない

これは徹底しています。SMSやメールに書かれたリンクは、絶対にクリックしません。返信もしません。

たとえば最近、「在宅ワークで高収入」という誘いのSMSが来ました。大手企業をかたって、報酬や勤務条件が相場を大きく超える好条件を並べた文面です。うまい話には、必ず裏がある。こういうものは、見た瞬間に消します。

では、本当に自分の口座やカードを確認したいときは、どうするか。私はメールのリンクからではなく、パスワード管理アプリ「1Password」に登録してある“正規のサイト”や、自分で確認しておいたブックマークから開きます。こうすれば、偽サイトに誘い込まれる心配がありません。(この方法はパスワードの記事に詳しく書いています。)

③ メールは、Gmailに任せる

妻は、もともとヤフーメールを使っていました。ところが、詐欺メールや迷惑メールが、ふるい分けられずにそのまま大量に届く。あのそっくりメールも、その一つでした。危ないので、私は妻を、すぐにGmailへ切り替えさせました。

さすが、世界一のIT企業がつくったメールです。迷惑メールの振り分けが実に優秀で、あやしいものはほとんど自動で「迷惑メール」フォルダに隔離してくれます。人間ががんばるより、よほど確実です。

ひとつだけ、実際にあった話を。以前、コンビニで買い物をしたときに届くはずの、QRコードが書かれたメールを、Gmailが「迷惑メール」と判断してしまったことがありました。こういうときは、そのメールを開いて「迷惑メールではない」をクリックします。すると次回からは、ちゃんと受信トレイ(メイン)に届くようになります。かしこいGmailでも、ごくたまにこういうことがあるので、覚えておくと安心です。

④ 使っていない銀行・クレジットカードは、解約する

これが、いちばん効く方法かもしれません。地味ですが、絶大です。

詐欺メールは、あなたの契約に関係なく、無差別に送られてきます。だからこそ——そもそも契約していない銀行やカードからの「重要なお知らせ」は、件名を見ただけで詐欺だとわかるのです。「うちは、この銀行とは取引がない。はい、詐欺」。一瞬で判断できます。

ですから私は、使っていない銀行口座やクレジットカードは、思い切って整理して解約しています。持っている口座・カードが少ないほど、「本物かもしれない」と迷う余地が減る。防御が、ぐっと楽になります。

それでも出てくる「サポート詐欺」の警告画面

ここまでやっていても、向こうから飛び込んでくるものがあります。パソコンを使っていたら、突然、派手な警告画面が出たのです。「ウイルスに感染しました」「今すぐこの番号に電話を」と、大きな警告音まで鳴らして、とにかく慌てさせようとする。いわゆる「サポート詐欺」です。

長くこの仕事をしてきた私でも、一瞬ドキッとしました。でも、これは慌てさせるのが目的。落ち着けば、なんてことはありません。私は、こうしました。

  1. まず、慌てない。画面に出た電話番号には、絶対にかけない
  2. Wi-Fiを切る(念のため、通信を止めます)
  3. Alt+F4(Altキーを押しながらF4キー)で、ブラウザを閉じる
  4. 念のためパソコンを再起動して、問題がないことを確認する

画面がどんなに派手でも、電話さえかけなければ、実害はありません。「電話しない」——これだけ覚えておけば、大丈夫です。

家族を守るのも、私の役目

詐欺対策は、自分だけでは終わりません。妻のクレジットカードが不正利用されたこともありました(その顛末はこの記事に書いています)。

ITが苦手な妻の姉からも、よく相談を受けます。やり方は決めています。わからない画面が出たら、スクショ(画面の写真)を撮って、LINEで私に送ってもらう。それを見て、「それは詐欺だから消していい」「それは本物だから大丈夫」と返す。離れていても、これで十分に助けられます。(LINEの使い方はこちらの記事に書いています。)

先日は、妻の姉のスマホを、iPhone SE(第2世代)から新しいiPhoneに機種変更するのも手伝いました。ここで、ひとつ私の持論を。スマホは、携帯ショップの店頭で買ってはいけません。店頭では、あれこれオプションを付けられて割高になりがちです。価格.comなどで安い店を見つけて買い、データの移行は自分でやる。それだけで、支払う金額がずいぶん違ってきます。

まとめ:見分けようとしなくて、いい

もう一度言います。最近の詐欺は、見た目では見破れません。ですから、がんばって「見分けよう」としなくていいのです。かわりに、仕組みで防ぐ。

  1. 怪しい電話には出ない(アプリに任せる)
  2. メール・SMSのリンクは踏まない(確認は1Passwordの正規サイトから)
  3. メールはGmailに任せる(迷惑メールフォルダは、たまに確認)
  4. 使わない銀行・カードは解約する(関係がなければ、件名だけで詐欺とわかる)

そして、もし「これは詐欺かな?」と迷ったり、被害にあってしまったりしたら、一人で抱え込まないこと。消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すれば、相談に乗ってもらえます。

今日が人生で一番若い日です。ぜひ、今日から一歩踏み出しましょう。

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