はじめに

「iDeCoの受け取り方って、どれが一番お得なの?」
iDeCoに加入している方が60歳を迎えると、次に考えるのが「どうやって受け取るか」という出口戦略です。実は、受け取り方によって税金が大きく変わります。同じ金額でも、受け取り方を間違えると数十万円の差が出ることも。
この記事では、iDeCoの賢い受け取り方をわかりやすく解説します。
なお、私自身はiDeCoではなく会社の**企業型確定拠出年金(DC)**を利用していました。退職と同時に解約し、勤続年数が40年近かったため退職所得控除が大きく、一括受け取りを選びました。税負担がほとんどなく、非常に有利に受け取れました。iDeCoも仕組みは非常に似ていますので、この経験も踏まえてお伝えします。
iDeCoの受け取り方は3種類
iDeCoは60歳以降(最大75歳まで)に受け取ることができます。受け取り方は以下の3種類です。
| 受け取り方 | 内容 | 税制上の扱い |
|---|---|---|
| 一時金(一括) | まとめて全額受け取る | 退職所得として課税(退職所得控除あり) |
| 年金(分割) | 毎年少しずつ受け取る | 雑所得として課税(公的年金等控除あり) |
| 一時金+年金の併用 | 一部一括、残りを分割 | それぞれの税制が適用 |
どれが得かは、退職金の有無・金額・公的年金の受給額・iDeCoの積立額によって変わります。
一時金受け取りのポイント
一時金で受け取ると退職所得控除が適用されます。退職所得控除は勤続年数が長いほど大きくなる非常に有利な控除です。
退職所得控除の計算式:
- 勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
- 勤続年数20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)
さらに、退職所得は課税対象が (受取額 − 退職所得控除額)× 1/2 となるため、非常に税負担が軽くなります。
注意!2026年からの「10年ルール」改正
2026年1月から、iDeCoの一時金受け取りに関する税制が変わりました。
以前は「5年ルール」と言われ、退職金とiDeCoの一時金を5年以上ずらして受け取ると、それぞれ退職所得控除をフル活用できました。
2026年からは「10年ルール」に変更され、退職金受け取りの前後10年以内にiDeCoの一時金を受け取ると、退職所得控除が重複して調整される可能性があります。
退職金がある方は特に注意が必要です。受け取りのタイミングをよく計画しましょう。
年金受け取りのポイント

年金形式で受け取ると、公的年金等控除が適用されます。
65歳以上の場合、年間110万円まで非課税枠があります(公的年金と合算)。公的年金の受給額が少ない方には特に有利です。
ただし、公的年金と合算すると控除枠を超えてしまう場合、税負担が増えることもあります。
受け取り方の選び方
自分に合った受け取り方を選ぶための目安です。
一時金が向いている方:
- 退職金がない、または少ない
- まとまったお金で運用・活用したい
- 退職金受け取りから10年以上経過している(または10年後に受け取れる)
年金が向いている方:
- 公的年金の受給額が少ない
- 毎月の生活費に充てたい
- 退職金との税制上の重複を避けたい
わからない場合は専門家に相談 最適な受け取り方は個人の状況によって大きく異なります。FP(ファイナンシャルプランナー)やIFAへの無料相談を活用して、税金シミュレーションをしてもらうことをおすすめします。
iDeCoをまだ始めていない方へ(正直なところ)
「今からiDeCoを始めるべきか?」と迷っている方へ、正直にお伝えします。
2024年から始まった新NISAが非常に使いやすくなった今、わざわざiDeCoを選ぶ必要性は以前より低くなっています。
iDeCoは掛け金が全額所得控除になるメリットがある一方、60歳まで原則引き出せないという制約があります。新NISAは非課税期間が無期限で、いつでも引き出せる柔軟性があります。
まだ何も始めていない方は、まず新NISAから始めることをおすすめします。 iDeCoはその後、税負担の軽減を重視したい方が検討する、という順番で良いと思います。
まとめ
iDeCoの出口戦略のポイントをまとめます。
- 受け取り方は一時金・年金・併用の3種類。税金の扱いがそれぞれ異なります。
- 2026年から「10年ルール」に変更。退職金がある方は受け取りのタイミングに注意が必要です。
- 最適な受け取り方は人それぞれ。迷ったらFP・IFAに相談してシミュレーションしてもらいましょう。
iDeCoの出口戦略は、知っているかどうかで税負担が大きく変わります。ぜひ早めに情報収集して、賢く受け取りましょう。
免責事項

本記事は筆者個人の体験・見解に基づくものであり、投資・税務・法律等に関する専門的なアドバイスではありません。実際の投資判断や税務・法律上の手続きについては、専門家(税理士・ファイナンシャルプランナー・弁護士等)にご相談ください。


コメント