【配当の20.315%がゼロになる】60代の私が新NISAの枠をどう使い分けているか

タブレットで新NISAの口座を確認する60代の夫婦 お金の悩み

新NISAの制度を説明した記事は、もう十分すぎるほどあります。私が書けることがあるとすれば、「実際にどう埋めているか」だけです。

2024年の制度開始から3年。私も、生涯1,800万円の枠を少しずつ埋めているところです。何を、どちらの枠で買ってきたのか。失敗も含めて、正直にお話しします。

まず、枠の全体像だけ

細かい制度の話は省きます。これだけ頭に入っていれば十分です。

項目金額
つみたて投資枠年120万円まで
成長投資枠年240万円まで
年間の合計年360万円まで
生涯の非課税枠1,800万円
うち成長投資枠で使えるのは1,200万円まで
非課税の期間無期限

最後の2行が大事です。生涯1,800万円のうち、成長投資枠として使えるのは1,200万円まで。残りの600万円は、つみたて投資枠でしか埋められません。ここを見落としている記事が、意外と多いのです。

私の新NISAは、こうなっています

とてもシンプルです。

買っているもの私の使い方
つみたて投資枠オルカン(全世界株式)満額にはしていない
成長投資枠高配当株(個別株に分散)こちらを厚めに

枠によって、買うものを完全に分けています。これには、はっきりした理由があります。

なぜ高配当株を「成長投資枠」に置くのか

理由は一つ。配当金にかかる税金が、まるごとゼロになるからです。

ふつうの口座(特定口座)で配当金を受け取ると、20.315%が引かれます。10万円の配当なら、手元に残るのは約7万9千円。約2万円が税金です。

新NISAの枠で買った株なら、この2万円が引かれません。10万円が、10万円のまま入ってきます。

私は配当金を「使っていいお金」と決めていて、旅行や寿司に使っています。同じ寿司を食べるなら、税金を引かれていないほうがいい。単純な話です。

一方、オルカンは配当を出さずに再投資するタイプなので、この恩恵がありません。だから、税金の効きが大きい高配当株のほうを、金額の大きい成長投資枠(年240万円)に回しています。

私が、払わなくていい税金を払った話

ここで、私の失敗を一つ。

配当金の受け取り方には、証券口座で受け取る方式のほか、郵便局で受け取る方式、指定した銀行口座で受け取る方式があります。

私は一度、銀行口座で受け取る方式に変えてみました。銀行に振り込まれれば、通帳ですぐ確認できて便利だと思ったからです。

失敗でした。

しっかり税金が引かれていました。NISAの枠で買った株なのに、です。

非課税になるのは、証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」だけです。すぐに元に戻しました。引かれたのは2銘柄の配当分だけだったので、勉強代で済みました。

設定は証券会社の画面で確認できます。一度見ておいてください。私のように、払わなくていい税金を払うことになります。

つみたて投資枠は、あえて満額にしていません

つみたて投資枠は年120万円、月にすると10万円まで使えます。私は、満額までは積み立てていません。

理由は、時間です。

これまでの株式市場を振り返ると、15年以上持ち続けた場合、株価が上がっている確率は非常に高くなります。逆に言えば、それだけの時間が必要だということです。

私は60代です。もし今から10年、下がり続けたらどうなるか。取り戻す時間が、あまり残っていません。

若い方なら、下がっている間も買い続けて、回復を待てます。時間が味方です。60代の私には、その余裕が同じようにはありません。

満額にしないのは、慎重だからではありません。残された時間から逆算した結果です。

成長投資枠は「数銘柄でいっぱい」になります

成長投資枠は年240万円。多いように聞こえますが、個別株を買うと、あっという間に埋まります。

日本の株は100株単位で買うのが基本です。株価2,000円の会社なら、1回20万円。10銘柄買えば、それで200万円です。

銘柄を分散させようとすると、枠はすぐに足りなくなります。私も毎年、そう感じています。

枠に入りきらない分は、特定口座で買っています。税金は引かれますが、それでも分散を優先しています。

もう一つの上限を、忘れないでください

生涯1,800万円という数字ばかりが有名ですが、冒頭の表のとおり、そのうち成長投資枠として使えるのは1,200万円までです。

そして、成長投資枠を厚めに使っていくと、5年ほどで成長投資枠のほうが先に終わります。そのあとは、つみたて投資枠だけで埋めていくことになります。

焦りはありません。枠が終わったら、特定口座で買うだけのことです。非課税は嬉しいおまけであって、目的ではありません。

口座はSBI証券ひとつです

新NISAの口座は、1人1つの証券会社にしか作れません。

私は楽天証券にも口座を持っていますが、買うのは全部SBI証券です。E*TRADE証券と呼ばれていた頃から、20年使っています。

理由は正直に言うと、株式を移すのが面倒だから。それだけです。

これから口座を作る方には、SBI証券か楽天証券をおすすめします。どちらも投資に必要な機能とサービスが揃っていて、多くの投資家にとって使いやすい環境が整っています。

ただし、高配当株を買うつもりなら、SBI証券のほうがいいです。楽天証券では取り扱っていない銘柄があるためです。

もう一つ。ネット銀行と証券口座をつないでおくと、ぐっと使いやすくなります。

  • 楽天銀行 + 楽天証券
  • dNEOBANK(旧・住信SBIネット銀行) + SBI証券

家計簿アプリのマネーフォワードMEとつないでおくのもおすすめです。口座がいくつかに分かれていても、資産の全体像が一画面で見えます。

60代の方へ:急がなくていい理由

退職金がまとまって入ると、「早く枠を埋めなければ」と思いがちです。

私は3年かけて、少しずつ入れてきました。

正直に言うと、私自身は今、翌月に3割減っても平気です。20年やってきて、そうなりました。

ですが、それは20年かかったということでもあります。始めたばかりの方が、同じでいられるとは思いません。

1,800万円の枠は逃げません。5年かけても、10年かけても、枠の総額は減りません。慣れないうちは、分けて入れるほうが続きます。

そして、下がっても売らないこと。これだけは、20年やってきて言えます。

まとめ

  • つみたて投資枠にオルカン、成長投資枠に高配当株。配当の税金20.315%がゼロになるので、高配当株こそ非課税の枠に置く
  • 配当の受け取り方は「株式数比例配分方式」に。ここが違うと、NISAでも税金が引かれます(私は実際に引かれました)
  • つみたて投資枠は満額にしなくていい。60代に必要なのは、残された時間からの逆算
  • 成長投資枠は1,200万円が上限。個別株なら数銘柄で年間の枠は埋まる
  • 高配当株を買うならSBI証券。楽天証券では扱っていない銘柄がある

特別なことは何もしていません。毎月オルカンを買って、年に何銘柄か高配当株を買い足して、あとは放っておくだけです。

配当金は、寿司に使っています。

今日が人生で一番若い日です。ぜひ、今日から一歩踏み出しましょう。


免責事項

本記事は筆者個人の体験・見解に基づくものであり、投資・税務・法律等に関する専門的なアドバイスではありません。実際の投資判断や税務・法律上の手続きについては、専門家(税理士・ファイナンシャルプランナー・弁護士等)にご相談ください。

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