【カメラを、先に捨てていました】MiniDVのテープが9本出てきた話

白地に緑の帯。カメラを、先に捨てていました、という大きな文字。28年前に撮ったMiniDVのテープが9本、テープはピカピカのままでした、と添えられている ITの悩み

片づけをしていたら、MiniDVのカセットテープが9本出てきました。

MiniDVというのは、1990年代の終わりから2000年代にかけて、家庭用のビデオカメラで使われていた小さなテープです。手のひらに収まるくらいの大きさで、当時のビデオカメラといえば、たいていこれでした。

ケースの背に、こう書いてあります。

  • 息子の名前 +「誕生」
  • 息子の名前 +「1999」
  • 息子の名前 +「ようちえん」
  • 息子の名前だけ
  • 「新築・」+ 息子の名前
  • 「RC」
  • そして、ラベルが空白のものが3本
ケースに入ったMiniDVのカセットテープ9本を並べた写真。ラベルには誕生・1999・ようちえん・新築・RCと手書きされ、名前の部分は塗りつぶしてある
出てきたMiniDVのテープ9本。黒く塗ったところが息子の名前です

写真の、黒く塗ってあるところが息子の名前です。この手書きの字は、私が書いたものです。 28年前に自分で書いた字を、いま読んでいることになります。

並べてみて気づいたのですが、SONYが4本、Panasonicが5本と混ざっていました。そして空白の3本は、すべてSONYでした。

息子が生まれたのは1998年です。その年に、ソニーのハンディカムを買いました。撮ったのは、そこからの数年ぶんということになります。

でも、いま中身を確かめることはできません。カメラのほうが、もう家にないからです。

カメラは、テープを噛むようになっていました

そのハンディカムは、壊れました。何度も試したのですが、動きませんでした。

そして、こういうことが起きました。一度、入れたテープが出てこなくなったのです。

これで決まりました。動かない機械の中で、テープが人質になる。 そう分かった以上、置いておく理由がありません。数年ほど前に家の中を片づけたとき、テープが無事なうちに、ほかのカメラといっしょに手放しました。

機種はソニーのハンディカムでしたが、型番までは覚えていません。写真を見れば思い出すと思うのですが、それも今は分かりません。

壊れかけた機械で粘ると、失うのは機械ではなくテープのほうです。 これは、あとで書く「中古のカメラを買う」という選択肢にも、そのまま関わってきます。

そのときも、調べてはいたのです

正直に書いておきますが、そのときも、中を見たいとは思っていました。

昔のテープをDVDに焼き直してくれる業者があることは知っていましたし、実際に少し調べもしました。やろうとはしていたのです。

でも、そこで両親の介護が始まりました。

両親のことは、以前に書きました。二人が同時に認知症になった半年間のことです(【実体験】両親が同時に認知症になった半年間)。あのころ、家の中の優先順位は完全に入れ替わりました。古いビデオテープをどうするか、という話が入る場所はありませんでした。

だから放置しました。忘れたのではありません。余裕が、なかったのです。

50代というのは、そういう時期なのだと思います。やりたいこと、やっておいたほうがいいこと。それが分かっていても、親のこと、自分の体のこと、仕事のことが先に来ます。 そして時間だけが過ぎます。

戸棚で、28年

テープのほうは、よく残っていました。

カセットのケースに入れて、そのうえでさらにプラスチックのケースに入れて、戸棚にしまってありました。今回開けてみたら、カビもなく、テープはピカピカでした。28年経っているとは思えない状態です。

うちの中はいつも、けっこう乾燥しています。それが効いたのだと思います。写真は、今日そのまま撮ったものです。磨いたりはしていません。

これがどれくらい運が良いことなのか、調べてみて分かりました。ダビングに持ち込まれるテープの、およそ4割にはカビが生えているそうです。磁気テープの記録は10年ほどで弱まり始めるとも言われています。1998年のテープなら、今年で28年目です。

テープは無事でした。無事だったのに、見られない。

以前、スマホの写真のバックアップについて書いたことがあります(【置き場所は4つ、正直ごちゃごちゃ】私のスマホ写真バックアップ)。置き場所が4つに散らかっていて正直ごちゃごちゃだけれど、それでも1枚も失っていない、という話でした。

ビデオのほうは、それとは違う形になっていました。1本も失っていないのに、開ける手段がない。 失うというのは、無くなることだけではないようです。

改めて、調べました。道は2つでした

今度こそ、きちんと調べました。方法は2つあります。

業者に出す

業者に頼む方法です。郵送で送るところと、店頭に持ち込むところがあります。どちらも、DVDやデータにして返してくれます。ここで驚いたのが、値段の幅でした。

1本あたり9本だと
ビデオダビングのPAM(郵送・ゆっくり納期)598円5,382円+送料880円=約6,300円
カメラのキタムラ(店頭・60分まで)1,980円17,820円
キタムラ・修復パックなどを付けた方の実例3,180円28,620円

同じ9本を頼んで、6,300円と28,620円。約4.5倍の差です。

※料金は2026年8月に私が調べたものです。テープの本数や状態、オプションで変わりますし、値段そのものが改定されることもあります。頼む前に、必ずご自身で最新の料金を確認してください。

PAMは、DVDでもデータ(MP4)でも1本598円でした。記録時間が何分でも追加料金なしもし何も録画されていなかったり、ダビングできなかったテープがあれば、その分は無料、とも書いてあります。

キタムラは、全国に店舗があって、テープを持ち込んで顔を見ながら相談できます。3,180円という数字は、修復パックなどのオプションを付けた方がブログに書かれていた実例です。値段だけの差ではありません。

自分でやる

中古のビデオカメラを買って、パソコンにつないで取り込む方法もあります。

  • 中古のminiDVカメラは、ネットオークションの落札相場で平均5,474円でした
  • ただし、今のパソコンにはDV端子(IEEE1394)という古い接続口がありません。拡張カードを買って増設することになります
  • 取り込みは実時間です。 60分のテープは60分かかります。早送りはできず、途中で止めると、そこで終わってしまいます。9本なら9時間以上

私のパソコンはデスクトップなので、拡張カードを挿す余地はありました。技術的にはできます。

それでも、私はこの道に引っかかりを感じています。

中古のカメラには、動作の保証がありません。そして私は、動かなくなったカメラがテープを噛むところを、実際に見ています。 20年前の中古機に、28年もののテープを入れる。カメラが動かないのは諦めがつきますが、テープを噛まれたら取り返しがつきません。

頼むときに、先に聞いておくこと

調べていて分かった注意点も書いておきます。

カビ取り・テープが切れた場合の修復・クリーニングが、すべて別料金という業者があります。最初の見積もりから大きく増えることがあるそうです。「どこまでが基本料金ですか」と先に聞くのがよさそうです。

原本のテープを返してもらえるかも、確認しておく項目でした。

なお、市販の映画やテレビ番組を録画したものは、著作権の関係で断られます。自分で撮ったものであれば問題ありません。

ラベルのない3本

9本のうち3本は、ラベルが空白です。

何が入っているのか、私にも分かりません。何も録画されていないのかもしれませんし、別の何かが入っているのかもしれません。開けてみるまで分からない、というのはこういうことです。

業者に出せば、9本とも中身がはっきりします。 空白の3本も、「RC」と書いた1本も。

頼んで、送りました

調べた結果、PAMに頼むことにしました。 そして今日、最初の5本を送ったところです。

選んだのは、こういう形です。

  • MP4のデータだけ。DVDもブルーレイも頼みませんでした
  • 納期は通常(14営業日)。 いちばん安い598円は60営業日=約3か月待ちでした
  • USBメモリ128GBをPAMで買って、そこに入れてもらう
  • 撮影日を映像に入れるオプション(1本100円)

DVDにしなかった理由

いちばん迷ったのがここです。でも、DVDはやめました。

理由は画質ではありません。DVDにしたら、また「いつか読めなくなるもの」を1つ増やすことになるからです。

これは、今回とまったく同じ形です。 テープは無事だったのに、再生する機械のほうが先に無くなりました。DVDも同じです。光のディスクは前触れもなく読めなくなりますし、いまのパソコンからは、DVDを読む装置そのものが消えつつあります。

データなら、パソコンに置くだけで、バックアップ時に外付けハードディスクに一緒に保管されます。よけいなものを増やさずに済みます。

ブルーレイのほうは、そもそも意味がありませんでした。MiniDVは元が標準画質なので、器を替えても画質は上がりません。

まず5本だけにしました

9本あるうち、今回送ったのは5本です。ラベルのない3本と、ラベルのある2本。

「誕生」と書いた1本は、送っていません。

初めて頼む業者です。仕上がりも、扱いも、まだ分かりません。9本まとめて送って何かあったら、取り返しがつきません。 だから、いちばん代えのきかないものを、後の便に回しました。

送料が2回かかりますが、差は900円ほどです。保険としては安いと思いました。

送る前に、知らなかったこと

申し込んだあとに届いたメールのリンク先に、こう書いてありました。

ケースから出して、テープのみを郵送(ケースの破損、紛失は保証対象外)
テープに1番から番号を振ってください

これは、やってみるまで知りませんでした。 そして、番号のほうが思っていたより大事でした。

ラベルのない3本は、ケースから出すと見分けがつきません。 同じ形のテープが3本並ぶだけです。番号を振っておかないと、あとで「3番に何か入っていた」と分かっても、それがどのテープだったのか、二度と分かりません。

貼ったのはシールです。28年もののテープに、油性ペンで直接書く気にはなれませんでした。

そしてケースのほうにも、同じ番号を付けました。 テープだけが旅に出て、ケースは家に残るからです。戻ってきたときに、元どおりに入れられます。

第一弾は青ラベル、第二弾は赤ラベルのシールにしました。 どちらも1番から始まるので、色で分けないと混ざります。

ケースから出したMiniDVのテープ5本に1から5の番号シールを貼り、ケース側にも同じ番号を付けた写真。名前の部分は黒く塗りつぶしてある
ケースから出した5本と、番号を合わせたケース。左の1〜3が、ラベルのないテープです。黒いところは息子の名前です
あとから送る4本のMiniDVテープとケースに、赤いわくの番号シールを貼った写真。名前の部分は黒く塗りつぶしてある
こちらは、あとから送る第二弾の4本。赤ラベルにしました。同じ1番から始まるので、色が違わないと混ざります

梱包と、送り方

水濡れを防ぐ袋に入れ、プチプチで包んで、箱の中を紙の緩衝材で埋めました。60サイズです。

「われもの注意」と「配達ご担当の皆様へ」と書かれた段ボール箱。実寸60サイズ
この箱で送りました。テープは割れ物ではありませんが、扱いは丁寧になります

送ったのはゆうパックです。追跡が標準で付いていて、損害賠償も最高30万円まであります。ただし、中身は30万円では戻りません。 補償より、いまどこにあるか分かることのほうが大事だと思いました。

ひとつ、得をした話も書いておきます。送り状を郵便局のアプリで作ったら、「ゆうパックスマホ割」で200円引きでした。 窓口で手書きしなくて済むうえに、安い。

ただし、ここは正確に書いておきます。スマホ割は、ふだんは180円引きです。 私が送った日は、割引額を広げるキャンペーンの期間中でした。2026年8月3日から9月13日までの200円引きです。この記事を読まれたのが期間のあとでも、180円引きは残ります。

キャンペーンで、ぽすくまのフィギュアストラップをもらいました。いらんけど。

ゆうパックのご依頼主控と、ぽすくまのフィギュアストラップ。伝票にはスマホ割の表示と、実寸サイズ60に丸が付いている
送り状の控えと、ぽすくま。伝票の左上に「スマホ割」、右下の実寸サイズは「60」に丸が付いています

まとめ

MiniDVのテープが9本出てきて、それを見る方法を調べ、最初の5本を送るまでの話でした。要点は3つです。

壊れかけた機械で粘ると、失うのはテープのほうです。 私のカメラは、一度テープを飲み込んだきり返してくれませんでした。テープが無事なうちに手放したのは、間違っていなかったと思っています。

やろうと思っていても、できない時があります。 私も当時、業者を調べました。そこへ親の介護が来て、そのままになりました。忘れていたわけではありません。

調べたら、4.5倍の差がありました。 9本で6,300円と28,620円。同じ作業です。ただし安いほうが正解とは限りません。顔を見て相談できるかどうかは、値段には出ませんから。

今日、5本を送りました。 ラベルのない3本に何が入っていたかも含めて、届いたら、また書きます。

その答えは、こちらに書きました。 ラベルのない3本は、空ではありませんでした。

【空だと思っていました】ラベルのない3本に、いちばん濃い6年が入っていた

もし、あなたのお宅にも古いテープが眠っているなら。再生する機械がまだ動くうちに、中身を再生してダビングしておいた方が賢明です。

また、機械にテープを入れたままにせず、取り出しておいてください。 EJECTを押しても、テープが出せなくなることがあります。私は何度か試すうち、取り出せたのでラッキーでした。

そして、前に一度調べたことが、そのままになっているのなら。 それは怠けていたのではなく、そのときは余裕がなかったのだと思います。余裕ができたなら、今からやればいいのです。

古いハードディスクを処分したときのことは、こちらに書きました。あちらは中を見てから壊しましたが、テープのほうは中が見られませんでした。

【消去ソフトは要りませんでした】古いHDD4台を、消して壊した一日

テープの1本には、ラジコンの大会が入っていました。その趣味の話は、こちらに書きました。

【45年、まだ飛ばしています】60代のラジコン|ボケる暇がない趣味の話

その9本すべてをデータにして、場面ごとに分け直すまでを、3本目に書きました。

【9本を68本にしました】テープは、撮った順に並んでいませんでした

今日が人生で一番若い日です。ぜひ、今日から一歩踏み出しましょう。

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